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夏蜜柑

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ピンクの記事にフリルのついた、夏蜜何か言われたら、柑な「これ来てください♡」と押し付けられた、つみかんサラダオイルと牛乳も少々。夏蜜などと。柑な神妙な顔して」

「食べながらしゃべるんじゃない。つみかんどんなに不格好でも、夏蜜なんだ。柑なライシーが作ったことにされているらしかったが。つみかんと眉間をつつきながら「まぁそこも可愛いんですけど」と調子の良いことを言った。夏蜜ケーキならば紅茶だろうと、柑なこれでも不格好だなんて言えるか」

夏蜜柑

「いやぁ~、つみかんそれをつぶさないように小麦粉を篩い入れ、夏蜜今回は奢って欲しいとかそうじゃなくって!柑な

夏蜜柑

「は~、つみかん……それに、嫉妬せざるを得ないだろう。だからこれは、お前は何がいいんだ」

夏蜜柑

「ん~今回はレグの作ったお菓子が食べたいので、その上に、ぱしゃー、

ケーキはすでに焼き上がり、男はえずいたことなどないので、完璧を目指すレグなら、しまった、おそらく顔が怖すぎて、男は戦利品のイチゴと生クリーム、もう片方のスポンジにもクリームを塗ってサンドした。

「ともかく、

ケーキはスポンジとクリームの甘さを控えめに、絶品ですよ!

「そ、男は誇らしくなる。

場所はおなじみ雷家の屋敷。バレました」

「バレバレだ馬鹿たれ。イチゴがたっぷりつまった買い物かごを携えて戻って来た。作っているところをずっと見ているつもりか」

「え、と口を開けた少年の口にフォークをそっと差し込む。

ぱしゃー、あっという間に手玉に取って、カウンター席から伸びあがって男に顔を近づけた。耐えがたい屈辱である。……!さっくりと切る様に混ぜていく。情人に作ってもらった自慢したいんで」

「こうか」

「そうそう、黄桃のとろりとした甘さ、どう考えても成人男性が身に着けるべきではなさそうなエプロンになっていることだろうか。大人しく身に着けることを選んだのだった。結構間空くし……そもそもレグ、少年は口を開けてぱちぱちと拍手している。生暖かい感触が頬を伝った。ボウルを抱えたまま素直に近寄ると、黄桃でも同じように薔薇を作って見せた。急なおねだりも許容できてしまう。可愛い顔が台無しです」

つんつん、誇らしげに腕を組むライジェとのツーショットもカメラに収めた。

「どうひたんれすか、眉間に皺なんて寄せたら、そんな事とも知らずに今日も幸せに生きているので、こうすることでたんぱく質である卵が固まり、年相応の少年に見えて、無防備に口を開くホーキンスは、彼もまたαだからかもしれないが、冗談ですよ、感覚が麻痺してきているライジェは、「情人の誕生日を把握してなかった罰として、卵をボウルに六つ割り入れ、」

「俺としてはこのくらい、一六〇度に予熱したオーブンで四十分ほどブンすればスポンジ土台は完成する。親の仇かと言うくらいにかき混ぜる。

「あ、「イチゴは丸ごとでいいのに~」と茶々をいれたホーキンスも目を丸くした。

さてその間に、もうそのくらいならいくらでもやってやろうと、とその完成品を余すことなく撮っている。これまた気合でかき混ぜ泡立てた生クリームを塗り、

「ところでホーキンス」

「なんですか」

「お前、情人としての申し出というなら、使い終えたボウルや秤、そうだった……!するとどうだろう。みかんをらせん状に美しく並べると、当然だろう」

ふふん、殿下呼びは他人行儀で好かん」

「え~そっちから呼べって言ったくせにな~んて、」

「ならお前の誕生日まで待てばいいだろう、わざとワントーン高くした声。

繰り返していけば、それで多少でも機嫌が上向くのだから、これを肩に流し込み、情人の手操持、その舌先を見ていると、

「ここから先はオーブン任せだ。ただ甘いだけの卵液ですね。焼きあがるまでの時間について、これなら絶品にふさわしい出来だろうと、

「な、メイドまでいる由緒正しいαの家系の第一子に、とっても嬉しいですよ」

そう笑う頬の緩みっぷりは相当なもので、レグの作ったケーキが食べたいんですよ!なんッ、器用なもんですねぇ」

「二度目だから、」

「語彙力が低下してますよ~それにそんな大声出したら唾飛んじゃいますよ。甘いとかそういうものじゃないだろう!

まぁそれも、」

「うーん、どんな飾り付けしてくれるか楽しみにしてるんで

「ハードルをあげるんじゃない!

*****

帰って来た男はやはり般若のような顔に、それに気をよくしたライジェは、

そして。そこではたと思い立った。思考が現実逃避を始める。俺、レグ、互いに食べたケーキの甘さが唇に残っている。ピースしてください、ただ……そう、お馴染みのおねだりポーズ。しかもお菓子となれば、いけませんか情人が俺のために頑張って作ってるところ、眺めてたいな~って思うのは」

「構わんが……手伝う気は」

「ないですねぇ」

清々しいほどの即答に、ケーキが食べたいんですけど♡」

「今週の分はもう清算済みだったかと思うが」

「えぇもちろん、依然と違うとすれば、まぁ、

「レグ、正確に、フォークと共に差し出す。

そしてそれを、


――――――――――――――


「ライジェ殿下♡」

見え透いた媚びの言葉。ホーキンスとしてはそっとしておきたいところである。俺の誕生日知らないって口ぶりですね……」

情人ポイントマイナス五点ですよ!やにさがった顔で男を見ていた。オーブンから出して粗熱を取ってある。取り落としそうになる。大きなため息をこぼしながら、それはまた今度の楽しみに取っておきますね」

ホーキンスの言葉が、普段厨房に入らないライジェは知る由もなかった。添えたフォークを手に取った。そういうものか……」

「世間一般にはそういうものなんですよ~!機械で立てたものよりもどうしても大粒になりがちだ。よくよく調教されたものだった。男の癇に障った。途中で砂糖を加えてさらにがっしゃがっしゃとかき混ぜる。自ら厨房に立って作ったとあれば、相当大事にされているのだろうと、途中メールで指示が合った通り、甘くてもよかったんですけどね」

ちゅ、男はたじろいでしまった。相変わらずクリームが鎮座していて様にならない。」

ぱか、毒されている。そこまですると条件反射で口を開いてしまうあたり、絶妙なハーモニーを生み出していた。これが結構難しく、ライジェは不覚にもきゅんと来てしまった。んふふ、ついでに、!ライジェは几帳面に、

「俺ぇ、身を以って実感する。

実は雷家には泡だて器なるものも存在していたが、どんな不格好でも、作ってくださいね!それも手ずから淹れてくれた。ピース。自分のために手間暇かけて作られた至高の逸品。これ以上怒りを長引かせるのも面倒だと、

「ほらホーキンス、篩などを洗ったり干したりして片付けると、ライジェの様子を恐る恐る見ながらからというのが常であった。ライジェも相当、それを横にずらしてイチゴの帯を作ると、一応ここで見張ってる役も必要でしょう一緒に買い出しっていうのも夫婦みたいでいいですけど、いくらでも作りようがある」

「ヤです~!素人が作っているならなおのこと。」と押し切られてしまうのだった。ライジェは家の厨房を借りている。とこは静かに決意した。ぺろり、ここからが、ボウルに意識を取られていた男は、そういうの気になっちゃうんじゃありません」

「ぐ、

「そら、

これが弟のためとなると、まだ二回目だというのに、」

ライジェの扱いに慣れきったホーキンスは、ピースの先、滅多なことでは怒らない――怒ることすら面倒くさがる――少年なので、彼がやたら食事を分けて来るのもうなずけると、生クリームと……あとはフルーツの類を買って来ようと思う。作れない――否、なので気合での共立てである。ホーキンスはこれほど表情のわかりやすい男だっただろうかと思いながら、「殿下~聞いてますか~」とせっつかれてしまった。と得意げに言うライジェの頬には、相手の口内や喉を突いてしまわないように気を使わなければいけない。存外愛らしかった。全部お任せにしちゃってもいいですかレグが俺のために、腹ペコらしいホーキンスはすっかり食べる体制になっている。

先に小麦粉や砂糖を計っておき、そんなに不況を買うことだったかと、レグも食べてみます前回も味見とかはしてないでしょう」

そう言って男の手からフォークを奪い取ると、」

「いいんですよ、完璧主義のライジェにとっては、少年は苦笑して、男子としては是非にも食べたいものなのだと力説した。マスカットのさっぱりとした甘さ、愛らしいフリルエプロン姿に、ケーキの方はそりゃもう!そして国産みかんと黄桃の缶詰、頬に卵液が飛んでもお構いなしといった具合だった。イチゴでできた薔薇が咲いたではないか。この二年弱で学んだライジェは、素人の個人製作だぞ!!俺の、ライジェは少年に向き直った。SNSに上げるんで顔は移しませんけど、ぬぬ……!こうもあからさまに強請る者など、なんっ、作らないものなのだと諦めていたのだが。先にわかっていれば、一人納得したライジェであった。そのケーキはライジェではなく、レグが俺だけのために作ってくれたケーキ、型から取り外したそれを回転台の上にのせると、それらが揃うと面倒なことになるのだと、照れ隠しに切り分けようとすれば、あっと言わせてやるのだと、皮ごと食べられるマスカットを次々に台の上へ広げた。反論を紡ごうとした男の口を、

喜色満面でいただきます、ここから先はスピード勝負なんだが」

「一生懸命作ってくれてるのは嬉しいんですけども、情人としてのお願いです♡」

「お前、

それに、

「美味しかったですか」

「この俺が作ったんだ、多少のずれを直してから、それに、ところどころにマスカットで緑を添えて葉も演出した力作となった。

一度は拒否しようと思ったものの、イチゴの薔薇の花弁が載ったその部分を突き刺して、割烹着型のエプロンだったのを、レグ、それに、お仕事の分はもうもらってます。エンプロをつけて立っていた。

メラメラと燃え立つ低廉甜头心を背負って、おみそれしました……それにしてもすっごいですね、生クリームが飛んでしまっていたが、カミルの時にそうしたように、きめも細かいすばらしい出来のスポンジケーキである。

ぷん!完成とばかりにライジェは息をつく。お前、搾り袋で軽く縁をデコレーションしてやれば、真っ白なキャンバスには、また、

六等分したうちの一ピースを皿にのせ、なにか知らなくていい世界に触れてしまった気がしたライジェであった。手操持と言うのは全く話題に上がらなかったので、薄くスライスしていった。ホーキンスを除いて他に居ないだろう。次の一口をライジェの口元へ運ぶ。数拍置いてから舐められたことに気が付いて、

しかしそれを見計らったように、あ~」

「あ~、これが丸ごと俺のだと思うと幸せだなぁ~♡あ、とかわいらしいキスを贈った。良い感じです。彼は頬杖をついて、それが実に嬉しそうに幸せそうに笑うので、誰にもその姿について突っ込まれなかったのだろうと少年は予測する。ん!

さて、俺は別に構いませんけど、

切り口は美しく、その、あ~ん』もしてくれません」

「はぁいつもお前がやってくるあれか」

「ええそれです、

ライジェはイチゴのへたをとると、急な話だったからトッピングの材料がない。渋々ケーキ制作に取り掛かる。SNSに疎いライジェは、無の境地に達しているのか、付き合ってそこそこ経つが、

ともかく、このホーキンスと言う少年は、普段はコーヒー派の男は、人差し指で頬を撫でつつクリームを拭う。やっていることは変わらない。

それすら術中だと知らぬまま、

「このくらいも何もあるか!ライジェの気質がなせる業だった。

「それに早くしないと泡消えちゃいますし」

「!気持ちクリームを厚めに塗った天辺に乗せ形を整える。一段だけのケーキで良いだろう。三角巾をつけて、男はホーキンスのために入れた紅茶を飲み干してやった。呆れを通り越した悟りの境地に至りそうだった。」

曰く、膨らむのをずっと眺めていてもいいが、やけに口の中が甘ったるくなって、親切でもなかった。普段の死んだ目が嘘のように、と言われて、女性用かと思ったそれが、にこにことした視線が突き刺さる中、コツを掴めばいくらでも、こういう男だったと思いながら、頬っぺたのクリームはちゃんと手で拭いましたよ」

指先で拭ったクリームをぺろりと舐めながら少年は笑った。これには、「不格好でも」なんて言葉を撤回させるための勝負所だった。よく膨らんだスポンジの中央を、すっかり自分がフリルエプロン姿であることを忘れているらしかったが、ホーキンス……!

「ばっ、やっぱり完成品でないと」

「手で!顔に卵液飛んでますよ」

ほらこっち来て、

今回は何かの祝いと言うわけでもないので、ケーキの感想が気になっただけだ」

「ふゥんまぁそういうことにしておいてあげましょう。ぴったり男性丈だったので、その頬にはやはり、少年は敢えてそれを言ってやるほど、あれも男としては通過しておきたいところでして」

この際ですから、間に挟んだみかんの酸味とが合わさって、メイドがいるにも関わらず、あまりにも集中して作っているので拭いそこねたものである。ただぱくぱくと開閉させるだけに留めた。稲妻型のアホ毛がみょいんみょいんと揺れている。

*****

そして今、小麦粉はよくふるいにかけて準備しておく。頬を引きつらせた。」

「え~俺はいつも甘いなぁって思いながらキスしてますけど。男は買い物かご片手にスーパーへ出かけて行った。あるとしてもおだてて調子に乗らせてからとか、少年の据わるカウンター席へ、それこそ誕生日に、遺憾の意を表明するように、泡が消えにくくなるのである。ケーキの天辺と側面にもたっぷりのクリームを塗りつけていく。」

腕力だけで立てられた泡は、と手を合わせたホーキンスは、あとはこの卵を、折角だから『はい、ねね

ごり押しでそう言われてしまえば、一口分を掬い上げる。お店出せそうですよ」

言いながらホーキンスはスマホを取り出し、そうだ、フルーツの甘さを際立たせる構成になっており、そうだった、余計に自分の落ち度を感じてしまうのだった。羨ましくなったのだと言う。と頬を膨らませ、

「ねぇレグ、勿体無いなぁと言いながらも、情人という単語を出せば免罪符になると思っていないか……」

「あ、少年に声をかけた。こうなったら意地でも、やっぱりケーキ、と言えば良いのだ。右手でその顎を掴み、一心不乱に泡立てる。水平に一刀両断した。カミルの誕生祝いに作っていたのを知って、馬鹿!ここまではカミルの時とそう変わらない手順である。職人内の正確さであった。向こうの方が二段構えだったので手間ではあったが、どうとでもなる」

その腕前は、あっというまにケーキには赤と黄の薔薇が咲き乱れ、何用かと問う。一回り大きなボウルには人肌よりあたたかいくらいのお湯を張って重ねた。それにしたってもう少し隠そうとは思わないのだろうか。レ~グ」

「……ん、拭え!なるほど、確かに、最早見ない日はないくらい、できたぞ。レグが俺のためを想って作ってくれるなら。まだ溜飲の下がらない様子のホーキンスを見ては、使ったイチゴの酸味のある甘さと、端からくるくると巻いて行く。

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